「困ったねえ、でも寝たままご飯食べるのはちょっとねえ......」と私たちが思案していると、本人がゴソゴソ動きはじめた。
娘さんが危ないからと止めに入ろうとしているが、本人は何とか1人で起きようと頑張っているのです。
私が教えたパターンはまだ飲みこめてなくて、ずいぶん乱暴な腹筋に頼った起き方ながら、真剣に起きようと頑張っています。
そして、私たちの声援のもと、少しだけギャッチベッドを起こした状態から、10回めのトライで、1人で起きあがり、ちゃんとベッドから足を垂らして座ると、驚いている私たちに「クシ!」と言い、手渡されたクシで髪をときはじめたのだ。
このお婆さんは、すぐにベッドから立てるようになり、伝え歩きもできるようになって、オムツを外してトイレに通うようになった。
いまでは、病気の前とほとんど変わらず、外出もしているという。
80歳で布団から起きあがれなくなると、まわりの人たちは、「これが"寝たきり"か......」と思うらしい。
そこで、巷にあふれている、寝たきり老人の介護法を習い、エアマットを使おうとする。
行政もそれに手を貸してしまう。